ゲストハウス開業準備中の話になりますが、既存キッチンのレンジフード(換気扇ですね)の異音を修理しました。
異音がする…。見積もり高い…。
この建物には元々大きなキッチンが設置されていて、そのままゲスト用キッチンとして再利用しています。
そのキッチンのレンジフードをスイッチオンすると
「キーーーーン、フォーーーーン」
なんとも言えない不快な金切り音が聞こえてきます。
「困った時のクレCRC-556!」をファンに向かってダイレクト噴射してみるも変化なし。
「やっぱ壊れてるよね、コイツ。」
と、あっさり認め、改装工事をしてくれた「ハットリフォーム」さんに相談しました。
私 「レンジフードからの金切り音がスゴイんですけど、修理で直らないですかねー?」
ハットさん 「古いから部品が手に入らないんで全部交換ですねー。費用は85,000円かかります(ニヤっ)。」
上記やりとりはあくまでイメージです。もっと誠心誠意対応しただきました。
「85,000円かー。」
なんか納得いかないんですよねー。
新品に交換するからそれくらい費用がかかるのはわかるし、当たり前ですけど全部交換です
でも壊れていなくて換えなくてもいい部分まで交換されちゃう。
それが無駄に感じてしまう。
「じゃあ、修理してみよう!」
いつものクセです。そうなります。
今回もそうなりました。
中身は規格品の集合体
こういう電気製品て、見た目は違えど中身は規格品の集合体です。
製品が違っても同じ部品が使われていたりします。
レンジフード内側を覗きこむと「メーカー型式」が記載された表示があり、このレンジフードは「サンウェーブ NBH-931」という製品だとわかりました。
既に生産中止になっていましたが「NBH-9347」という後継機種が出ていました。
ひょっとしたら互換性のあるパーツがありそうです。
さっそく、バラして調査開始です。
スロット式のフィルターを外すとシロッコファンが見えます。
換気扇なんてモーターでファンを回しているだけの単純構造なので、おそらくモーターの軸受けベアリングの不具合だろうと推測。
実際、手でファンを空まわししてみたところ「シュー、ゴロゴロー」なんて異音と振動がしてましたので、まあ間違いないでしょう。
フードを外して作業性を良くし、シロッコファンの「ファン」を外します。
ファンの中心にある水道の蛇口のようなネジを緩めてファンを取り外します。
このネジは左ネジなので注意。
右に回すと緩みます。
モーターが見えました。
モーターにはラベルが貼ってあり、このモーターの型番がわかります。
このモーターの型番は「90233661」です。
早速、ネットで型番を調べます。
リビルド品(再生品)や互換品が結構ヒットし、価格は大体2万円前後。
うーん、微妙。
モーター交換なら簡単だけど修理としては面白くない。
求めている達成感はそこはありません。
ということでまだバラしていきます。
モーターを固定している4本のビスを外しモーターを取り外します。
モーターのハウジングは2分割になっていて(写真では上下)かしめて接合してあります。
かしめてあるということは通常作業で分解が想定されていないのだと思われます。
気にせず「かしめ」を外してモーターを分解します。
ここでシャフトにベアリングがついた状態のローターが出てきました。
ローターのシャフトにはベアリングが2個圧入されています。
目指していたのはコレコレ!このベアリングです。
手で回してみると「ゴリゴリ」と全くオイル感なし。
原因は完全にコイツです。
部品購入&交換
ベアリングは規格品です。表面に型番が記載されています。
このベアリングは「6200Z」という製品でした。
6200サイズは内径10mm、外径30mmのベアリングです。
「Z」なら片側が鋼板でシールされて片側がオープン状態(ボールが見えている状態)です。
「ZZ」は両側が鋼板でシールされている状態、「記載無し」は両側ともオープン状態です。
早速、クルマを走らせ「コーナンPRO」に行き、ベアリング2個とプーラーを購入してきました。
全部で約3000円です(セブンイレブンのコーヒー代こみ)。
ベアリングは圧入されているのでプーラーは必需品です。
下の写真のようにプーラーのツメでベアリングをつかんで、黒いボルト部を閉め込んでいくと、ぐいぐいベアリングが上がってきて抜くことができます。
ちなみにですが、今回は安かったのでギヤプーラーを購入しました。
元々ベアリングは交換するつもりなので、取り外す際に破損しても問題無しです。
外したベアリングを再利用するような状況なら、ベアリングプーラーを購入した方が良いです。
古いベアリングをシャフトから取り外せたら、次は新しいベアリングを圧入します。
圧入には40円で購入した塩ビ管を使います。
本来ならプレスを使用するんですけどね。
イチ個人がプレスを持っているのはかなりレアケースです。
シャフトにベアリングを乗せ、塩ビ管をベアリングに当ててハンマーでひたすら打ち込んで圧入します。
シャフト途中の位置決め用Eリングまで圧入します。
これでベアリング交換は終了。
新品のベアリングはオイル感たっぷりで無音、幸せになれます。
あとはバラした逆の手順で組んでいけば完成です。
結果とまとめ
完全に直りました。
今ではファンの風切り音しかしません。気持ちイイー!
工務店に頼むと85000円するところが3000円で直りました。
82000円浮きました。これは嬉しい。
その後、レンジフードは赤に塗装しました。
いかがだったでしょうか?
初めてシロッコファンを分解しましたが、思いのほかシンプルです。
分解作業を恐れない人なら、問題なく出来ると思います。
ただし自己責任で作業しましょう。
ダメだったら買い換えるつもりで。
ではー。
コメントを残す